自動車を購入して、まずはじめに自動車保険を検討しますが、自動車のローンもあるからなるべく自動車保険の保険料は安くしたいと思いますね。
自動車保険の補償内の中で、「保険料の割合を最も多く占めている」のが車両保険です。
車両保険は、ご自身の自動車を守るための大切な補償になるため、新車を購入した際にはほとんどの方が車両保険を付ける検討をすることになるでしょう。
ただし、中古車を購入した場合やご自身の自動車が初度登録年月から、5年、10年と経っていくうちに、自動車保険の車両金額が安くなってきます。
そうなってくると、本当に車両保険を付ける必要があるのかどうか?わからなくなってしまいますね。今回は車両保険の必要性について解説いていきます。
目次
車両保険とは?その必要性について
まず、自動車保険は何のために加入するのでしょう。
法律で定められている自賠責保険があるのに、自動車を購入したら必ずとっても良いほど皆さん、任意の自動車保険も契約しますね。ディーラーに自動車保険をすすめられれ拒む方もいないでしょう。
車両保険とは、ご自身の自動車が事故によって破損した際の修理費用であったり、全損してしまって、自動車を新たに買い換えるような時に、車両保険の保険金額を限度に保険金が支払われるといった補償です。
そのため、自動車保険の契約をしていても車両保険に入っていなければ、ご自身の自動車は補償されないということになります。
新車を購入してすぐに、事故にあわないなんて補償はどこにもありません。購入したばかりの自動車を修理したり買い換えることになっとき、まだローンも始まっていないとなると、どうして良いかわからなくなってしまいますね。
そんな時のためにも車両保険は、自動車保険の中でとても大切な補償になってます。その分、保険料も他の補償内容や特約にくらべて、随分と「高く設定されている」というわけです。
自動車保険の車両保険が占める割合は、多くて50%くらいと言って過言ではくらいですから、保険料が高いと感じると、車両保険を外してしまいたくなりますね。
車両保険の種類や自動車の利用環境によっても車両保険を付ける必要がないことがあります。もちろん安易におすすめはできないため、まずは車両保険について詳しく理解してみることからはじめましょう。
全損の定義について
自動車の80%以上の損害または、自動車の修理ができずに買い換える必要がある場合。
車両保険の種類
それでは、車両保険の種類についてからご案内します。車両保険のタイプはどの保険会社でも2種類あります。
商品名は多少異なることもありますが、おおまかに「一般条件」とか「一般契約」と言う名称に、もうひとつは「車対車+A」「車対車限定特約」または「エコノミータイプ」と言った「一般条件」よりも補償範囲を狭くして保険料が抑えれた車両保険になります。
一般条件の補償範囲
- 車対車の車両事故
- 自損事故(電柱や建物に衝突など)
- いたずらによる落書き
- 盗難
- あて逃げ(相手がわからない事故)
- 災台風などの災害(地震/噴火/津波は対象外)
車対車+Aの補償範囲 ※「A」とはアクシデントを表しています。
- 車対車の車両事故
- いたずらによる落書き
- 盗難
- あて逃げ(相手がわからない事故)
- 火災台風などの災害(地震/噴火/津波は対象外)
以上のように車両保険の「一般条件」と「車対車+A」では、「自損事故が補償されるか」どうかの違いになってきます。
また、住んでいる地域によって野生動物が飛び出してくるようなこともあるでしょう。その場合に、ハンドルを切って木やガードレールに衝突した際には、自損事故と扱われうことがあります。
こういった例は、ケースバイケースなので事故が起きた時に保険会社の判断になることがあり一概には言えないのですが、車両保険について考えると「一般条件」をおすすめしたくなると言うことです。
車両保険金額について
車両保険に入る時には、車両金額を設定します。車両金額はどうやって決められるのでしょう。これについては、自動車の購入金額(本体価格+オプションや付属品)で設定されるのが一般的です。
しかし、基本的には自動車の市場価格の範囲内としているので、特別仕様の自動車であったり、マニアックな趣味で高額なオプションを設置したことにより、市場価格を大幅に超えた際には、購入した際の注文書で内容が証明できれば、希望通りの車両保険金額を設定できます。
車両保険金額は、事故によって自動車保険に契約の自動車を補償する時の補償限度額になるので、正確な購入価格で設定することが望ましいのですが、保険料を安く抑えるために車両金額を市場価格の範囲内で下げることもできます。
ある程度の年数が経っている自動車であれば検討しても良いでしょう。
例1
- 初度から3年〜5年以上経っている
- 車両金額 80万円で設定(市場価格/50万円〜90万円)
例のようなケースでは、事故により全損した時に「80万円も必要ないから、50万円で良い」という判断をご自身がした場合は、車両金額を50万円を希望することもできます。
車両保険を下げることは、保険会社からすすめられることはまずありませんから、ご自身からの申し出によって変更することになります。
と言ったように、車両保険の金額は、「自動車の購入金額と市場価格を元にある程度の幅をもって設定」されることになります。
むやみに金額を下げたり、高額な車両保険金額をつけても補償されないため、設定できないようあらかじめ決められているということです。
車両保険の免責金額について
車両保険を付ける際には「免責金額」を設定します。
免責金額にはいくつかのパターンがあり、事故によって車両保険を使用する時に全額保険金で補償する場合と、あらかじめ設定した免責金額の分を差し引いて保険が支払われるようにする設定ができます。
免責金額の種類は保険会社により異なりますが、だいたい決まっているのでご紹介していきます。
免責金額の種類
- 0万円(自己負担金なし、車両保険で全額補償)
- 0万円-10万円(保険期間中1回目の事故は自己負担金なし、2回目以降の事故は10万円まで自己負担)
- 5万円(事故の回数問わず、自己負担金5万円)
- 5万円-10万円(保険期間中1回目の事故は5万円、2回目以降の事故は10万円まで自己負担)
- 10万円(事故の回数問わず、自己負担金10万円)
上記に加えて「3万円」や「3万円-10万円」の自己負担金を設定できる保険会社もあります。
免責金額「0万円」にすると、事故の際に全額を保険金で補償してもらえる分、保険料が高くなるため、保険料を安く抑える場合には、「5万円-10万円」などの免責金額の設定を検討することになります。
車両保険に付随した特約について
車両保険には、新車の購入時からある一定期間(初度登録から3年または5年)を目安にした特約があります。
ひとつめは「新車割引」といって自動的に割引が適用になるため敢えて設定しなくても良い特約です。
もうひとつは「車両新価特約」と言って、新車の購入時の車両金額を一定期間維持する特約なので、車両保険に追加できる特約でオプションになります。
新車割引
新車を購入して車両保険を付ける際には、追加で新車割引が「自動的に設定」されます。
現在では初度登録から3年間(25ヶ月)「新車割引」が適用されるので、車両保険をつけても少し保険料が安くなるため「新車割引」の適用外になると急に保険料が高くなって驚くことになります。
車両新価特約
自動車は年数が経つと車両金額が減価償却されるので、たとえ新車でも初度登録から2年3年と経ってしまうと、車両金額が下がってきます。
新車購入で2年目に自動車が全損した場合に事故をしたとします。まだ新しい自動車で、新車で買ったときと同じ価格で販売されていることもありますね。
そんな時に、車両保険金額が購入当初から下がっていたら少し納得できなくなることでしょう。では「車両新価特約」と付けていると初度登録から5年間(61ヶ月)は購入当初の車両金額をキープできることになります。
そのことから車両新価特約は、「万が一の事故に備えたい」人気のある特約です。しかしその分、保険料は高くなります。
車両保険を付けるチェックポイント
ここまで、車両保険の種類とそれに付随する免責金額や特約について説明していきました。
自動車保険に加入するなら大切な自動車を守るため車両保険を付けたいところでが、保険料が高くなる以外に、必ずしも車両保険が必要とは限らないので、ご自身にとって車両保険が、必要がとうか検討してみるためのポイントをご案内していきます。
車両保険が必要なケース
- 高額な新車を購入して、万が一の事故の際には車両保険で全額補償を希望する。
- 事故で自動車を修理するような時に車両保険を使いたい。
- 自動車のローンが残っているため、全損事故の際は車両保険から支払いたい。
- 経済的なことから事故による負担を車両保険に頼りたい。
車両保険のが不要なケース
- 初度登録から5年以上経っているため新車割引や車両新価特約も対象外で保険料が、上がてしまう。
- 初度から10年以上経っているため車両金額が10万円〜15万円になって全損しても同じ自動車を購入できない。
- 経済的に余裕があり、事故による自動車の修理費用や買い替え費用は全額支払える。
車両保険が必要なケースと不要なケースを例にあげてみました。
新車を購入して直後の事故では、車両保険をローンの返済に充てることも可能です。事故で自動車が手元からなくなってもローンだけ残ることは避けたいですからね。
そして車両保険が不要なケースとしては、車両金額と自動車の価値が見合っているかどうかを基準にすると良いでしょう。
むしろ車両保険分の保険料のほうが、無駄になっている場合もあります。
車両保険を外すタイミング
自動車保険をある程度の保険期間を継続していると、車両保険をいつ外せばよいのか迷いますね。毎年検討しようと思いながらも面倒になってそのまま更新している場合も多いでしょう。
保険料の無駄を防ぐためにも、車両保険はある一定期間を目処に外してしまうほうが良いので、その見極め方についていくつかご案内していきます。
初度登録年月から25ヶ月または61ヶ月を目処に検討する
車両保険の金額、すなわち自動車の価値は初度登録年月を基準にいているため、「初度登録年月から何年経っているか」で判断していきましょう。
これは中古車や新古車で購入した自動車でも、新車割引の適用範囲であれば割引される価値があるということです。
よって、大切な自動車を補償するための車両保険を付けるに値すると考えられるので、自動車を購入して「初度登録年月が3年〜5年」くらいの間は、車両保険を付けておきましょう。
車両金額が自動車を買い換える価値と一致するか
それでは一概に、車両保険を外すタイミングは、初度登録年月だけでもないこともあります。
車両金額は市場価格からその自動車の金額を設定するため、人気のある自動車は古くなっても高額な金額になることがあります。
自動車保険ではプレミアのような付加価値は対象になりませんが、実際に市場に出回っている「人気車種」であれば必然的に車両金額が高くなるため、車両保険を付けるに値する可能性があるということです。
車両金額と免責金額を調整して保険料を安くしてみる
初度登録年月から5年以上経っているとう点でだけで、車両保険を外すかどうかは早まらずに少し検討する必要があります。
自動車の価値があっても実際には、新車割引や車両新価特約の対象外になることは否めないため、保険料が高くなってしまいます。
そこで、どうしても保険料が高くなる場合は、車両金額と免責金額を調整してみるだけでも保険料が少し安くなるので、無理をせずに車両保険を付けることもできます。
自動車の使用目的が変わった時期に検討してみる
仕事や通勤で主に自動車を利用していたが、日常レジャーでしか自動車を使用しなくなった場合には運転頻度が減ります。ほとんど滅多に運転しないのであれば、あえて車両保険をはずして、保険料をできるだけ安くしたいですよね。
この場合はもちろん、運転に自信のある方に限りますが、車両保険を外してもよいタイミングとして考えてみてみることもできるのではないでしょうか。
車両保険はある時期まで必要で不要になればすぐに外す
さて、もう車両保険は必要ないという時期に差し掛かったときは、保険期間途中であっても車両保険が外せます。保険料の差額が返戻されるので忘れずに気にかけておきましょう。
もし事故によって自動車を買い換える時に、同じ車種でなくても問題ないとか、もう今後自動車は運転しないから買い替える必要がないなどと、何らかの理由で、自動車の補償が不要になることもあります。
車両金額でいうと、50万円以下になってくると修理費用が50万円を超えたら補償されないなんてことも起こります。
車両が古く10万円や20万円になってくると支払っている保険料のほうが、車両金額より高くなっているケース出てくるため、その前に車両保険を外してしまう方向で見切ってしまっても良いでしょう。
まとめ
車両保険を外してみると保険料が半額くらいになることがあります。自動車保険なんだから車両保険は必要というと、必ずしもそうではないことがお分りいただけたでしょうか。
車両保険はご自身の自動車を買い換える時や修理する時に、保険金が支払われるのですが、相手がいる事故の場合は、事故の割合にあわせて相手から対物賠償として支払われる場合も考えられます。
また自損事故になってくると、相手がいないので車両保険の必要性を強く意識してしまうことでしょう。
以上のことから、車両金額が自己負担ではとても補えない価格である、ローンの返済がまだ30%は残っているとう段階では、車両保険をしっかり付けておくことで安心できます。
そして車両金額が、下がってくるともに車両保険を見直すことで保険料を安くできるため、免責金額のあえて高くしてみたり、車両金額を抑えてみるといった方法でも検討できます。
最終的に車両保険をつける価値がないのでは?というタイミングがきたら、すぐに外すのが一番です。無駄に保険料を払わないよう、自動車保険は常に見直しをしていくことをおすすめします。